[DIG-ROCK] 팬클럽 컨텐츠 번역/밴드SS

[유료회원한정공개] DIG~SS01~/Impish Crow

HOUND ROAR MOTHER 2024. 1. 31. 18:53

 새벽녘. 스마트폰의 화면을 보고있던 히바리가, 혼잣말이라 하기엔 큰 볼륨으로 「뭐야 이게」 라 말하며 투덜댔다.

 

「히바리 왜그래-」

「아...... 미안 츠구쨩. 방해됐어?」

「으-응. 전-혀-」

 

 츠구미가, 기운빠진 대답으로 받아쳤다. 파고들듯이 화면을 바라보며, 게임 컨트롤러 버튼을 끊임없이 누르면서. 

 

「그럼 됐고...... 좀 쉬지않을래? 벌써 아침이야」

「음- 좀만 더! 이 스테이지만 끝내고!」

「어쩔 수 없지」

 

 히바리는 웃으면서 자리에서 일어난다

(한번 시작하면 듣지를 않는다니까)

 오늘은 다같이 회의를 한 후, 오랜만에 츠구미와 둘만 남았다. 토키는 레포트 제출 마감일 전이라, 미츠루는 내일 일이 있어 빨리 자야한다며 빠르게 집에 갔다. 

 (둘이서만 있는거, 얼마만이지?)

 부엌에서 미네랄워터를 손에 쥔 순간, 거실에서 「아-!!」 라는 비통한 외침이 들려왔다. 

 

「젠장, 좀만 더 하면 됐는데 당했어......」

「수고했어. 자, 물」

「에, 됏어. 아직 츄하이캔 남았으니까」

「좀 알콜을 분해해야 이길 수 있을지도 몰라」

「아, 그런가」

 

 유리컵을 내밀자, 츠구미는 받아들고선 한번에 마셨다. 

 

「챠가허-......!」

「아, 벌써 이만큼 앞의 스테이지까지 깼네. 츠구쨩, 익숙해지는게 빠르네」

「히바리가 훨씬 잘하잖아」

「당연하지. 그거 산거 저번주고, 벌써 츠구쨩보다 몇시간이나 더 플레이 했으니까」

「에-. 그치만」

 

 못마땅하다는 듯이 대답하고선, 츠구미는 컨트롤러를 소파로 던진다. 

 

「분해-......」

「그냥 게임가지고 뭘」

「그런 말 하는거치곤, 히바리도 엄청 연습하잖아」

「나중에 시작한 츠구쨩한테 추월당하면 분하니까」

「똑같은 말이잖아!」

 

 둘이서, 무심코 웃었다. 

 

「그렇지, 히바리. 아까 뭐였어? 폰 보면서, 이게 뭐냐고 했던거」

「아아, 그거. 토비쨩한테 메일이 와서...... 이거」

「어디어디. 「디그프로 대운동회 알림」 ......엣, 진짜!」

「계절행사같은건 좀 참아줬음 하는데. 겨우 학생 탈출했는데......」

「뭐 어때! 팀 인크로로 우승하자!」

「뭐, 나가는 이상 이기고 와야 한다는 생각은 하지만」

「운동회 싫어해?」

「타인이랑 협력해서 열심히 하지 않으면 안되는 것 전반이 싫어」

「거짓마알」

「진짜라니까」

「근데, 엄청 열심히 하고있잖아, 인크로」

「그건...... 다른 얘기 아닌가?」

「에, 그래?」

「그래. 애초에, 너희를 타인이라고 말하는것도, 왠지 아닌거같고......」

「아, 그렇구나. 히바리, 우리들 엄청엄청 좋아하니까」

 

 갑자기, 뻐기는 기색도 없는 웃는 얼굴로 그런 말을 하니까, 조금 곤란해진다 

 

「......나, 오늘 안취했는데」

「알아」

「진짜......」

 

 한숨을 섞어가며, 히바리는 소파에 몸을 파묻었다.

 

「나, 타인이랑 경쟁하는건 진짜 엄청 싫어한단말이야. 이기는 승부만 하고싶고, 다른 사람이랑 비교당하는건 싫고, 타인한테 시험당하는 것도 싫어. 그러니까, 싫어도 귀찮아도, 죽을 기세로 준비해두지 않으면 기분이 내키질 않아. 그런 자신의 성미가 위협당하는 느낌이 들어서, 싫어」

「대단하다- 고 생각하는데-. 그런 부분. 나만 봐도, 싫은건 절대로 안하는걸」

「그렇지도 않잖아. 츠구쨩 말투로 말하져면, 졌다, 라 말하고싶지 않은것 뿐이야」

 

 사실은 조금 다르다. 

(필요없다는 소리를 듣고싶지 않을 뿐, 이쪽이 더 맞다고나...... 할까) 

 타인에게 자신을 승인받지 못한느건, 무섭다. 

 (타인에게 기준을 맡기는게 바보같은 짓이라는건 알고있지만)

 인생의 절반이상을, 가족이나 친구, 주변의 기색을 살피며 살아왔다. 순종하는 기색도 반항도, 전부 타인이 기준이였다. 그렇게 간단하게 버릇이 고쳐지진 않는다. 

 

「안져」

 

 문득 츠구미가 말했다.  

 파고 들어가듯이 히바리를 바라보며, 강하게.

 

「히바리, 계속 이기고있잖아. 그도 그럴게 미츠루랑 친구고, 나랑 토키랑도 만났으니까」

「츠구쨩」

 

 -그러니까 나, 술 안취했다고 말했잖아.

 그렇게 말하고싶은데, 바로 말이 나오지 않는다.

 

「그리고 「Identity」도 말이야」

 

 그 이야기는 특히, 부탁이니까 기다려주었으면 한다.

 그런데 역시 전혀 말이 나오질 않고, 당연히, 츠구미도 기다려주지 않는다. 

 

「아카네한테 그걸 부르게 한 우리들, 최고 아니야?」

 

 정면으로 그런 말을 듣는건, 정말로, 무척 곤란하다. 

(그도그럴게 최근에, 눈물샘이 약해졌는걸. 무척)

 그래서, 잔뜩 어금니를 꽉 물고, 참고 참은 끝에 작게,

 

「......운동회」

「응?」

「공 던지기 할 때 쓰는 공, 아카네한테 던지고싶어」

 

 예의없는 말을 한 후 고개를 휙 돌리는 틈에 슬쩍 심호흡을 하자, 츠구미는 눈을 가늘게 뜨고 웃었다.

 

「그거, 나도 같이 할래!」

 

 


 

원문

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夜明け方。スマホの画面を見ていたヒバリが、ひとり言にしては大きいボリュームで「なにこれ」と呟いた。

 

「ヒバリどしたー」
「あ……ごめんツグちゃん。邪魔した?」
「んーん。ぜーんぜんー」

 

 ツグミが、気の抜けた返事を寄こした。食い入るように画面を見つめ、ゲームコントローラーのボタンをひっきりなしに押し込みながら。

 

「ならいいけど……ちょっと休憩しない? もう朝だよ」
「んーあとちょっと! このステージだけっ!」
「しょうがないなあ」

 

 ヒバリは笑って立ち上がる。
(言い出したら聞かないんだから)
 今日はみんなで話し合いの後、珍しくツグミとふたりきりだ。トキはレポート提出の〆切り前、ミツルは明日仕事で早いからと早々に帰った。
(ふたりだけなんて、いつ以来だろ?)
 キッチンでミネラルウォーターを手にした瞬間、リビングから「あー!!」という悲痛な叫び声がした。

 

「くっそ、あとちょっとだったのにやられた……」
「お疲れさま。はい、水」
「え、いーよ。まだ缶チュー残ってんし」
「すこしアルコールを分解したほうが勝てるかもよ」
「あ、そっか」


 グラスを差し出すと、ツグミは受け取って一気に飲み干した。

 

「つべてー……!」
「あ、もうこんな先のステージやってる。ツグちゃん、呑み込み早いよね」
「ヒバリのほうがぜんぜんうまいじゃん」
「当然だよ。それ買ったの先週で、もう何時間も余分にプレイしてるんだから」
「えー。けどさあ」

 

 不満そうに言って、ツグミはコントローラーをソファに放り投げる。

 

「くやしー……」
「たかがゲームじゃない」
「とか言って、ヒバリだってめちゃくちゃ練習してるくせに」
「あとからはじめたツグちゃんに先越されたら悔しいからね」
「一緒じゃん!」

 

 ふたりで、思わず笑った。

 

「そーだ、ヒバリ。さっきのなに? スマホ見て、なにこれっつってたの」
「ああ、あれね。とびちゃんからメールか来てて……これ」
「どれどれ。『ディグプロ大運動会のお知らせ』……えっ、マジで!」
「季節行事とか勘弁してほしいんだけど。やっと学生じゃなくなったのに……」
「いいじゃん! チームインクロで勝とーぜ!」
「まあ、出たら勝たなきゃぐらいには思うけど」
「運動会きらい?」
「他人と協調してがんばらなきゃいけないこと全般が苦痛」
「ウソだあ」
「本当だってば」
「けど、スゲーがんばってんじゃん、インクロ」
「それは……話が違わない?」
「え、そお?」
「そうだよ。だいたい、みんなを他人って言いきるのも、なんか違うし……」
「あ、そっか。ヒバリ、オレらのことめちゃくちゃ好きだもんな」

 

 いきなり、てらいもなく笑顔で言うから、ちょっと困ってしまう。

 

「……俺、今日しらふなんですけど」
「知ってる」
「もう……」

 

 ため息交じりに、ヒバリはソファへ体を沈めた。

 

「俺、他人と競争するの本当はすごく嫌いなんだよ。勝てる試合しかしたくないし、人と比べられるのは嫌いだし、他人に試されるのも嫌い。
だから、嫌でも面倒でも、死ぬほど準備をしておかないと気が済まないんだ。そういう自分の性分を突きつけられるから、苦痛」
「スゲーと思うけどなー。そーゆーの。オレなんか、やなこと一切やれねーもん」
「そんなことないでしょ。ツグちゃん風に言うと、負けた、って言いたくないだけだよ」

 

 本当はすこし違う。
(いらないって言われたくないだけ、のほうが正しい……かな)
 他人に自分を承認してもらえないのは、怖い。
(他人に基準を預けるのがバカバカしいことはわかってるけど)
 人生の半分以上、家族や友だち、周りの様子を伺って生きてきた。従順な素振りも反抗も、ぜんぶ他人が基準だったのだ。そう簡単に癖は抜けない。

 

「負けてねーよ」

 

 ふいにツグミが言った。
 食い入るようにヒバリを見つめて、つよく。

 

「ヒバリ、ずっと勝ってんよ。だってミツルと友だちで、オレとトキに会えたんだから」
「ツグちゃん」

 

 ――だから俺、しらふだって言ってるのに。
 そう言いたいのに、とっさに声が出ない。

 

「あと『Identity』もさ」

 

 その話は特に、お願いだから待ってほしい。
 なのにやっぱりぜんぜん言葉にならないし、当然、ツグミも待ってはくれない。

 

「アカネにあれ歌わしたオレら、サイコーじゃね?」

 

 面と向かってそんなこと言われるのは、本当に、すごく困ってしまう。
(だって最近、涙腺がよわいんだ。すごく)
 だから、さんざん奥歯を噛みしめて、我慢に我慢を重ねてからちいさく、

 

「……運動会」
「ん?」
「玉入れの玉、アカネにぶつけたい」

 

 下らないことを言ってそっぽを向いた合間にこっそり深呼吸すると、ツグミは目を細めて笑った。

 

「それ、オレも一緒にやる!」